(前回の記事“ボードゲーム「アンドールの伝説」 伝説2プレイ編(また一人称小説風)前編”の続きです〜。それでは始まり始まり〜。あ、ネタバレ注意ですよ。そして長いですよ

■城、いや、例の場所への帰還


「大丈夫。ソラルド王子がこちらに向かってくれている。そして、あの怪物たちがこちらに来る前に、私たちは城へたどり着けるだろう」
隣のエリアにいる怪物を見つけ、興奮し泣き叫んでいる農婦を落ち着かせた。
先ほど放ったソラルド王子への伝令は、無事に彼の元へたどり着いている頃だろうか。


農民たちを城に送り届けたら、まずは王子と共に城付近のゴルを一掃しなければ。
アンドールが滅びてしまったら様々な大切なもの・・・そう。井戸も失われてしまう。


井戸か。あぁ。井戸が恋しい・・・・・・しかし、井戸へ行くのはその後だ。
我ながら自制がきくようになったものだと思う。こうやって人は大人になるのだな。
ふふ。幼き頃は井戸水が湧き戻ると畑仕事を放り出して、井戸へ急いだものだ。


回想にふける私の視界に、そびえ立つ城門が視界に入った。
「勇者ソーン様が農民達を救出されました! 勇者ソーン様ご帰還〜!ご帰還〜!」
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城内へ伝令が走っていき、まもなく担当官がやってきた。


「ソーン様、ありがとうございます。農民たちは私どもが責任を持って守ります。積極性があり、腕の立ちそうなものに関しては一時的な兵士として活躍してもらう予定にございます。」
(農民トークンは裏返ると、城の耐久力を示す金の盾マーカーとなる。これで城は追加で1体の怪物を受けられるようになった)


人の命を救えたこと。農夫たちや兵士たちからの感謝の言葉。
私は成すべきことを成したのだ。
あとは城付近のゴルを倒せさえすれば! 井戸へ!
私は王子との待合わせ場所へ急ぐことにした。


「ソーン!待たせたな!」
王子は橙色のマントをなびかせて颯爽とやってきた。


「農民達を助けたとのこと。さすがだな!ソーン!」
彼の明朗な声で褒められると、気分が良くなる。
彼が王子だからではなく、彼の人柄がそうさせるのだろう。
たとえ彼が友人だったとしても、同じように私は感じるはずだ。
そして私達は軽いやり取りをしながらゴルの出没エリアへ向かった。


「いたぞ!」
打ち合わせもなく連携攻撃に入る。
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私の剣撃をくらいひるんだゴルに対して、王子の突きが見事にゴルに突き刺さり、ゴル退治はあっさりと終わった。


「相変わらず確かな腕だなソーン。さあ、一杯やりにいくか」
王子の誘いに思わずうなずいてしまいそうだったが、私には大切なことがある。
「い、いや今日は私は・・・」
“一杯やりにいく”という意味では、そう変わらないことをしようとしているので、何と断ってよいのか少し戸惑った。


「そうか。お前も忙しい身だしな。私はまだこちらに居る予定だ。いつでも呼んでくれ。」
そう言って王子は去った。


せっかくの誘いを断ってしまい、非常に申し訳ないことをしたと思う。
一方、これから行く場所のことを思うと、いてもたってもいられぬ私がいた。


そして私はやっとここにたどり着いた。

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そう。井戸だ。私の傷ついた体を、心を癒してくれる井戸だ。
井戸を覗き込む。うむ。いい感じだ。充分に水が湧き出ている。


私は子どものような心で井戸水を飲み干す。
あぁ・・・これだ。
喉を通る清らかな水。清らかな水は胃まで到達する。
私の肉体が、心が、歓喜に奮えている!


よし。できる。私にならできる。
アンドールを救うのだ!


私が立ち上がると、ちょうどチャダの伝令が到着し、彼女の様子を知らせてくれた。
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彼女は望遠鏡を駆使し、危険を避けながら順調に霧の中を捜索中だという。
さすがはチャダだ。魔女の捜索を聡明な彼女に任せてよかった。
まだ魔女は発見されていないとのことだが、彼女のことだ、早々に見つけてくれることだろう。


チャダの伝令が去ると、入れ違いに南方より伝令がやってきた。
「勇者ソーン様。残念なことに、ソラルド王子が偵察隊の指揮にお戻りになるとのこと。先ほどご出立されました。」
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「王子よりソーン様への伝言を預かっております。“すぐに戻る。ソーンに任せておけば安泰だと思っている。心配はしていない。武運を祈る”以上です!」


お任せください!王子!井戸水を飲んだこのソーンに敵はありません!
と、心の中で王子に応える。
中から湧き起こる自分の活力に、励ましに似た感覚を微かに覚えた。


しかしそんな感覚をかき消すかのような不幸な報せが、伝令の口から続いた。
漆黒の肌を持った四足の怪物、ヴァルドラクが2体も現れたというのだ。
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奴らは、まっすぐに城に向かっているという。
俊敏で鋭い鉤爪を持った彼らには並の兵士では敵うまい。


よし。私がやるか。
・・・いや、私でも一人では倒すのは難しいかもしれない。しかも、もう夕暮れだ。
闇夜で戦うのは明らかに不利だ。勝ち目はない。


奴らは夜の闇を味方につけ、猛烈な攻撃をしてくるだろう。
悔しいが、今日は自分の身体を休めねばなるまい。


今夜にも奴らは異常な速さで移動するのかと思うと、悔しい気持ちでいっぱいになる。
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(ヴァルドラクは、他の怪物と違い、二度も移動する)
大丈夫、大丈夫だ。落ち着くんだ。
焦った心では正しい判断はできない。


少なくとも、あと4体程度の怪物は城の守備兵たちでなんとかなるはずだ。
王子やチャダが近くにいれば、私たちでなんとかできる可能性は高いのだが。


そうだ。チャダがこっちに来ることはできないだろうか。
今すべきことは体を休め、チャダがどのような状況に居るのかを知ることだ。
彼女は魔女を見つけ、薬草を手に入れることができたのだろうか。


迷いを断ち切った私は、伝令にチャダの様子を見てくるよう指示し、野宿の準備を始めた。
農民たちに王子との共闘・・・そして井戸。
今日は色々と動きすぎた。少し体を休めることにしよう。



■霧の中の魔女と魔女薬


「勇者ソーン様。お休みのところ失礼いたします!」
伝令が戻り、チャダの様子を知らせてくれた。


彼女は、霧の周囲を望遠鏡を使って何度も探索し、ついに魔女と出会ったとのことだった。
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レカという名の魔女は、彼女に協力を惜しまなかった。
彼女に魔女薬を与え、王のための薬草のありかも教えてくれたのだ。


あろうことか、薬草は一匹のゴルが持っているのだという。
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「急げ勇者よ。時は迫っておる。」
さらに魔女は続けたらしい。


「そしてこの魔法の薬を更に欲したときには、遠慮なく私の元へ来るが良い。お主になら1金安く分けてやらなくもない」
(魔女薬を飲むとそのターン出目1つを2倍にできる。二人プレイなら通常は魔女から3金で買えるが、射手は1金安く買える)
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「なら今買いたい」
流石はチャダだ。彼女がやや食いぎみに答えているのが目に浮かぶ。


彼女は魔女薬を2つ手に入れたようだ。
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さらに魔女はアンドールのどこかに落ちているルーン石について、話してくれたという。



■3種のルーン


「時は満ちた。お主、ルーン石については知っておろうな?」
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ルーン石と呼ばれる3種の石がこのアンドールにあり、その石がもたらす力は強大だが、3種全てを身につけねばその力は発揮されないらしいのだ。


魔女はルーン石についての占いの結果をチャダに伝えた。
チャダは──そしてその内容を聴いた私は──ルーン石がどのエリアにあるのかを知ることができた。
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(ルーン石は赤い怪物ダイスを10の位、勇者ダイスを1の位として振り、そのエリアに裏向きにして置かれる。3種の内どの種類かは、石を手に入れてみないと分からない)
どうやら私のいるエリアの近くにもあるようだ。


必要な情報を得たチャダは魔女と別れ、私に伝言を残し体を休めたとのことだった。
伝言の内容はこうだ。
「私は薬草を手に入れる。貴方はルーン石を集めてほしい。そして明後日には城に居てほしい。私は手に入れた薬草を貴方に届ける。」


彼女がどうやって私に薬草を届けるつもりなのか、思いつかなかったが気にしないことにした。
彼女のことだ。ゴルにしろ薬草にしろ、うまくやるのだろう。
私は彼女の言う通り、ルーン石を集めることにしよう。
ちょうど近くにもあるようだし、強大な力をもたらすルーン石が気になっていた。


彼女の提案だからそう行動するのではなく、私の意志だ!


ふと気づくと、朝日が昇り始めていた。
伝令はチャダの報告が終わると、別の報せについて話した。


「勇者ソーン様含め、お二人の活躍が吟遊詩人によって歌われているのを聴きました。」
私たちの活躍が吟遊詩人によって歌われている!?
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なんと嬉しいことだろう!
もっと活躍して、よりよく歌い上げられる戦士とならなければ!
私は早速ルーン石を拾いに出発しようと立ち上がった。


その時だった。城より伝令が到着した。
「勇者ソーン様とお見受けします! 報告します。昨夜ヴァルドラクが我が城敷地内に侵入。現在守備隊と交戦中です!」
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やはり奴らの速さは異常だったか。
一瞬私が立ち向かっていればと思ったが、今の私ではどうにもできなかったことに気づき、諦めと同時に複雑な思いから、ため息が出た。


しかもさらに残りの1体が城直前のエリア4に来ているという。
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エリア4に向かうべきか否か・・・。
焦ってはいけない。奴は日が沈むまでは移動しないだろう。
それまでに私はルーンを集め、奴を倒せるだけの力をつけてから挑むべきだ。


対抗する力をつけるために必要なのは、ルーン石と・・・。


井戸水だ。
昨日私が飲み干した井戸も、一晩明けたことで、もう新しい清らかな水が湧き出ている。
私は一気に井戸水を飲み干した。
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うおおおお! これほどまでに活力を得たことはない!
スクラル砦が何だ! 女尊男卑がなんだ!!


丹田からの力が全体に行きわたるようだ。
ルーン石を手に入れれば、さらに私の力は強くなるだろう。
先を急ごう。ルーン石を集め、勇者と呼ばれることに恥を感じなくなるくらい私は力を手に入れなければならない!


魔女の占いの結果は正確で、なんなくルーン石を手に入れることができた。
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しかし残念ながら私が拾った2つは同種のルーン石のようだった。
魔女の占いによって場所が分かったルーン石は5つ。残り3つのありかを当たるしかない。


私は途中、これから激しくなるであろう戦闘のために盾を商人から購入し、ルーンが2つも落ちているというエリア51へたどり着いた。
なかなか距離があったのでずいぶんと時間をかけてしまった。
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ルーン石は難なく見つかった。
2つのルーン石を拾い上げる。


おお!これは!
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ついに3種のルーンが揃ったのだ!
拾い上げた2つのルーンはそれぞれ別種のルーンだった。


3種のルーン全てを身に着けると、それらは更に輝きを増した。
言葉では言い表せない何かが私を包んだように感じだ。
魔法的な力なのだろう。


愛剣を抜き、軽く素振りをする。
───軽い!!
剣だけではなく、身が軽いのだ。


流れるように剣が振るわれる。
本当に私が動かしているのか?
これならば敵の攻撃を全て受け流し、さらに的確に敵の急所を捉えた一撃が放てるに違いない。
(3種のルーンを装備すると、攻撃の際に黒の魔力ダイスを使用できるこのダイスには6〜12の目が書かれている)


すばらしい!
これならばヴァルドラクやスクラル砦に対抗できるに違いない。


ふと見上げると、隣のエリアに隣のスクラル砦がそびえ立っているのが見える。
なかなか堅牢な砦のようだが、井戸水とルーンの力を手に入れた私にとって、あのような砦など、もう敵ではないだろう!
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兜など要らぬ!
世の中には、二日酔いでも行けるとか、朝飯抜きでも行けるとか、さらには目隠しでも行けるとか、そうやってダンジョンなどに挑む冒険者達もいるようだが、ふふ。私もそんな感じか。


いや、頭をかばう必要がなくなったのだ。このルーン石の力があれば、頭など気にせず打ち込めるのだ。
スクラルめ!今すぐ貴様の首を取ってやる!


───明後日には城に居てほしい
ふと、スクラル砦へ向かおうとする私の脳裏にチャダの顔が浮かび、彼女からの伝言が響いた。


彼女との約束を反故にするわけにはいかぬ。
危ないところだった。城にはヴァルドラクも迫っているのだ。
私は気持ちを落ち着け城へと戻ることにした。
しかし長距離を移動してきたため、日は暮れ、城へ戻る途中で野宿を余儀なくされた。



■王を救う薬草


朝、灰色山脈より毒蛇がやってきているとの報せが入った。
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恐ろしいことだ。あの毒蛇たちは強力なのだ。
毒蛇たちは民を殺し、アンドールをさらに窮地に陥らすだろう。


ピキピキ──パキン!
枝を折るような音に気づき、出所を探す。
まるで強力な剣撃を受け止めたかのように、私の盾が傷ついていることに気づいた。


その後足早にやってきた伝令から、毒蛇については誤報であるとの正確な報が入った。
そうか。それは良かった。
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先ほどまでは無かった傷だ。
もしかしたら何か不吉なことから私たちを守ってくれたのかもしれない。
よく聞いていなかったが、商人がたしか「いろいろなものから、勇者様たちを守るでしょう」と言っていたような気もする。
(盾マークが描かれたイベントカードは、盾を1段階壊すことで無かったことにできる)


「魔法の盾・・・なのかもしれんな」
そう呟いて、自分を納得させると先を急いだ。


城にたどり着き2体目のヴァルドラクが城敷地内で守備隊と交戦中との報を聞き、今すぐにでも駆けつけたかったが、チャダからの伝言が届いていた。
「薬草は空から届ける。城で待ち、急ぎ王に渡してほしい」とのことだった。
空を見上げてみたが、まだ何も見えない。


空が見やすい場所に移動し、じっと空を見上げた。
数分後、空に小さな黒い点が見えた。
その小さな点は、少しずつ大きくなっていき輪郭がハッキリしてきた。


鷹だ。あれが薬草を持ってきているのか。
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彼女は商人から鷹を買ったのか。
(鷹は1日に1回だけ、勇者間の荷物を自由に交換させてくれる)


その鷹はたいへん賢いようで、私を見つけるとまっすぐに私の腕へ降りてきた。
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鷹は薬草とチャダからの手紙を届けてくれた。
急いで王へ届けなければ!


王の元へと行く道すがら、鷹が持っていたチャダからの手紙に目を通した。


ソーンへ
貴方へ王の薬草を託します。
私は、魔女レカの導きにより、薬草を手にしたゴルをエリア65で発見した。

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ゴルは薬草を渡すまいと必死の抵抗をしてきた。
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攻撃は強烈だったが、私は魔女薬の力を借りたことで、素早くゴルを撃退した。


この薬草を貴方が王へ届けてくれれば、私たちは任務の一つを成し遂げたことになる。
あとはスクラル砦。私はこの後、魔女薬を手に入れるために魔女の元へ寄り、スクラル砦を目指す。
親愛なるソーン。私たちでアンドールを救いましょう。貴方もスクラル砦へ!



王の元へ走りながら手紙をしまうと、気を引き締め頷いた。
薬草を渡したら、すぐに出発しよう。
あのそびえ立つスクラル砦を破壊するのだ。



■スクラル砦


「勇者チャダ様、勇者ソーン様がご到着されました!」
砦を囲んでいる兵士たちに伝令が伝え歩く。
どうしてチャダの名前が先なのだと、小さなことは気にもしなかった。
気づいた時点で気にしていただろうという輩もいるかもしれないが、私は気づいたが気にもしなかったのだ。


それはさておき、私は王へ薬草を届け、王の瞳に生気が戻ってきたことを確認すると、すぐさまスクラル砦へ移動した。
チャダは予定通り魔女の元で魔女薬を手に入れたようだ。
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「勇者チャダ様、ソーン様、お待ち申し上げておりました」
「ご活躍は聞き及んでおります!」
「仲間が何人も・・・戦死しました。仇を!仇を討ってください!」
兵士たちが何人も声をかけてきた。私は、信頼に応えられる戦士になっているはずだ。


魔法薬を持ったチャダもいる、3種のルーンもある。
井戸水の癒しを得た私、勇者ソーンもいるのだ。
しかし、今日はもう夜更けだ。
今、攻め入るのは得策ではない。いかに力があろうと、時を見誤れば多くのものを失うだろう。
私たちは兵士たちに明日の作戦と、ゆっくり休むよう伝えて回り、私たちも明日に備えて眠ることにした。


朝になると、私の盾が完全に破損していた。
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またなにか不幸な出来事から、私たちを救ってくれたのかもしれない。
たしかに、私たちに不幸な報せは入らなかった。


だが、着実に怪物たちは城へと進軍を続けているようだ。
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城の守備兵たちが必死に戦っていると聞く。
あと2体も城に入ってしまえば、アンドール城は陥落してしまうだろう。


今日中にスクラル砦を落とし、こちらの兵士たちと共に城へ急行せねば!


「勇者様、準備が整いました」
隊長が私たちの元にやってきてそう言った。いよいよだ。
さらに彼は、私たちに兵士を鼓舞してくれと言った。


チャダが私の背中を押す。井戸水の癒しを受けた私に怖いものはない。
私は堂々と皆の前に進み出た。


「皆、ここまでよく奴らの進行を抑えてくれた。私たちは私たちの力を信じている! そして、君たちの力も信じている! 仲間たちの仇を討ち、アンドールを救うのだ!」
私の声が林に響き渡った。兵士たちは真剣な眼差しで私を見つめ、次の言葉を待っている。


「勝利は目前だ! アンドールに平和を! アンドールに蔓延する恐怖を私たちが取り除くのだ!!」
兵士たちが士気高く声をあげた。
戦いが始まった。


ギャアアァァ
私に後ろから襲い掛かってきたスクラルが断末魔の叫びと共に倒れた。
スクラルの背中には深々とチャダの矢が刺さっている。


こちらからチャダの姿は見えないが、しっかりと私を守ってくれているのか。
よし。私は前だけを。砦の上で指示を飛ばすスクラルを一気に目指そう。


前から迫ってくる雑魚どもは、私が一度剣を振るえば一瞬で地に伏していった。
まるで紙を切るかのように怪物どもを切り捨てていける。


何匹の怪物を倒しただろうか。
そして私は遂に、スクラルの司令官と対峙した。
グルルルル!
双剣を交叉させて音をたてながら私を睨みつけてくる。


ふふ。怪物の気持ちはわからぬが、確かに憎々しい思いでいるのだろうな。
「──行くぞ」
私は正眼に愛剣を構え、すぐさま突進した。
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どこからともなく飛来したチャダの疾風の矢と、私の強烈な剣撃がスクラルの司令官を捉えた。


断末魔の叫びも出せずに司令官は絶命した。
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ゆっくりとスクラルの双剣が落ち、体が崩れていくように感じた。
この時までの苦労が、走馬灯のように私の脳裏に蘇った。


成したのだ。私は、私たちはアンドールを救ったのだ。
「砦が落ちたぞー!」
兵士たちが時の声をあげた。
この地に響く兵士たちの歓喜の声が両耳から入り、私を振るわせる。


いつの間にか私の傍らに来たチャダが私の背中を軽く叩いた。
私は振り向き、彼女に頷くと彼女と固い握手を交わした。
私たちは全ての任務を成し遂げたのだ。
アンドールの夕日が祝福するかのように、私たちを赤く照らすのだった。


勇者たちに率いられた連合軍はスクラルの砦を占領した。薬草もまたその効力を発揮し、王は自分自身を取り戻した。とはいえ、勇者たちにはひとつの気がかりがあった。王の息子たるソラルド王子が、まだ戻ってきていないのだ。彼が一体どこでどう過ごしていたのかについては、次なる伝説で語られることになるであろう

(出典:アンドールの伝説 伝説2 語り部カードN)
〜fin〜


いやぁ〜というわけで、アンドールの伝説、伝説2リプレイ小説風いかがでしたでしょうか〜。
なんとか自分で決めた締切に間に合いました。
大変なんですねぇ・・・小説って。まあ、小説と呼んでいい出来になっているかどうか微妙ですが。
作家さんやライターさん等々、物書きの方々に改めて頭が下がります。


とにかく伝えたいことは、ボードゲーム「アンドールの伝説」面白いです!ってかボードゲームは面白いです!ってこと


Σ(゚Д゚) 小説風とか回りくどいんじゃね!?
って感じですが、まあ良しとしましょうw


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もちろん、駿河屋さんでも。

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以上、“あっきぃらびっと(@akkiiy_rabbit)”でした
長文読んでくださってありがとうございましたっ