私の名はソーン。戦士だ。
十四の時、井戸…いや父の農園を守るために戦った。その時、私は戦士になることを決めた。
(今日の記事はボードゲーム「アンドールの伝説」の伝説2のリプレイ、一人称小説風です〜。アンドールの伝説の過去記事や、同様に伝説1の小説風記事などは、タグ:アンドールの伝説からご覧くださいませー)

先ほど商人から買った兜を被り、くみ上げた井戸水に自らの兜姿を映してみる。
すばらしい!
すばらしい透明度だ! アンドールの井戸水は、やはり上質だ!
井戸水は私に休息を与え、意志の強さを思い出させてくれる。
(戦士は井戸水を飲むと意志力に+5 他勇者は+3)
私の今の使命は、生きる気力を失ったブランドゥル王のために、生気回復の薬草のありかを知る魔女を見つけることだ。
よし。時間だ。
エリア19のスクラルへの突撃を開始する。
甲冑に身を包んだ怪物スクラルが、私を威嚇してきた。
双剣を鋭く振り、龍の尾を大地に何度も打ちつける───
───その刹那、放たれた鋭い矢がスクラルの背中に突き刺さった。

その隙を見逃さずに斬りかかった。
兜のおかげで、以前より頭の防御を気にせず打ち込める。
思い切り踏み込んで横なぎにする。

私の剣がスクラルに致命傷を与えているようだ。
(兜を装備している際、戦闘でゾロ目を出すと両方の出目を足せる。通常は最大出目1つ)
奴の双剣が音を立てて落ち、続いて奴も倒れた。

私の仲間、〈見張りの森〉の射手チャダが放った矢も、深々と刺さっている。
彼女の腕は相変わらず確かだ。
(射手は隣のエリアから攻撃できるが、怪物が攻撃力で勝れば通常通りダメージを受ける)
スクラルが所持していた4枚のゴールドは、私とチャダとで分け合った。
所持品を漁るのは好きではないが、このお金で新しい装備が買える。これも大義のためだ。
「ソーン。貴方は城に迫るゴルへまっすぐ向かって。私は商人のところへ寄って望遠鏡を買い、弓も新しくしてくるわ」
彼女は仲間だ。仲間の提案は安易に断るものじゃない。
べつに彼女がいつも主導権を握っているわけではないことを、念のため申し添えておく。
望遠鏡か。兜を買った際に店頭に並んでいたな。

霧を遠くから見通せる能力は、霧の中にいると噂されている魔女を探すのに役立つだろう。
その後、望遠鏡を携えたチャダと合流し城に迫る怪物を倒した。
もう間もなく日暮れだ。

しかし我らは明日に備えて、より城近くのエリアへ移動しておきたかった。
怪物どもは夜、城へと進行してくる。
日中、城に迫る怪物たちを排除するためにも、できるだけ進行してくる怪物たちの近くに居たい。
あの城の敷地内に、3体も怪物が侵入してしまえば陥落寸前となるだろう。
今休むわけにはいかない。持ち歩いていたワイン袋からワインを飲んだ。

よし。もうひと頑張りできそうだ。目的のエリアへ移動したら、今日はもう休むとしよう。
(ワインを飲むと時間トラックを進めずに1マス移動できる)
「伝令!王の斥候がエリア54にスクラルの砦を発見したとの報あり!」
伝令からもたらされた知らせは、現在のアンドールにとって、かなり悪い知らせだった。
エリア54といえば〈見張りの森〉近くか。

その砦は強靭で数人の兵士達では落とせないという。
(スクラル砦は意志力20として扱う)
「勇者様たちのお力をお借りしたく存じます!」
私たちは砦攻略を快く了解した。
これで私たちは、“魔女を見つけ”、“薬草を見つけ”、“城へ薬草を届け”、“スクラル砦を陥落させる”という任務を背負ったことになる。
自分のような戦士に、この数多くの任務がこなせるかは分からないが、私には仲間がいるし、井戸もある。
あぁ、井戸水が恋しい…。
「伝令を続けます! 我らがソラルド王子がご帰還!」
遠征していたソラルド王子が戻ったのか。これほど心強い味方はいない!
(王子の居るマスで戦えば攻撃力+4)
ソラルド王子は酒場に要るという。

早速伝令に伝達して怪物退治にご協力いただかなければ。
(移動や戦闘の代わりに同調アクションを行うことでソラルド王子を4マスまで動かせる)
精悍な王子にお会いするのは何度目だろうか。会うたびに力を、威厳を増すような彼の馬上の姿に、私は幼き日の憧れを思い出した。
「久しいな。ソーン! 昔話をしている間は無いようだ! 行くぞ!」
王子に笑顔で応えた私は、スクラルが出没したエリアへと走りながら、最後のワインを飲み干した。

日が沈みそうだが、私はまだ動ける!
王子に恥ずかしい姿を見せるわけにはいかない。
チャダの正確無比な弓、私の剣撃、そして王子の前にスクラルはあっさりと地に伏した。
王子の力は健在だ。彼がいてくれるのなら、私たちが任務を全て成すことも簡単だろう。
王子としばし語り合った後、明日に備えて私たちは休むことにした。
朝。
何かが起きる朝。
朗報がもたらされることもあれば、その逆も多い。
「申し上げます! 不浄なる怪物どもが、エリア45の井戸を汚したもよう!」

神聖なる井戸を汚した!?
なぜだ!? なんの目的でだ!
奴らが行ってきたことは全て許されないが、これほど許せぬことはない!
許せぬ。あの醜い奴らを斬り裂かねば、この恨みは晴らせぬ…
愛剣を手にとって立ち上がる私をチャダが諌めた。
「ソーン、座って。奴らは逃げはしない」
いかに冷静に諭されようと、私の怒りを止めることはできない。
奴らは井戸を、あの澄んだ水を、生きている喜びを与えてくれるあの場所を汚したのだ!
「お待ちください勇者ソーン様。御出立前にもう一報が…エリア24の農夫たちがゴルに…」

伝令は言葉を濁した。
なんということだ…農夫が怪物にやられたというのか。
王子のご帰還に浮かれていた私がバカだった…。エリア24に農夫が居ることは私たちも知っていたではないか。
失念していた…では済まされない。
なにが勇者だ。
なにが井戸の恨みを晴らすだ。
人の命も守れず、何を息巻いていたのだ。
「もう一箇所農民達がいると情報があったはずだ。私がその農民を連れて行く」
まずは人の命だ。井戸や農夫の恨みを晴らすのはその後でいい。
私はすぐに出立した。
私はまもなく、農夫たちが暮らす、故郷を彷彿とさせる土地にたどり着いた。

怪物の影に怯える者。頑固に農業を続ける者。畑を耕す者、葦を取りに行っている者。
様々な農民たちがそこで生活を営んでいた。
私は、一人一人に話をして歩いた。
「今は畑を耕したり種をまいたり、牧場で羊や猪、牛などを飼育している場合ではないのだ」
「まずは城へ。それが、今この時に必要な大きな進歩だ。大丈夫。私が君たちを護衛する」
多少の反発や涙などがあったが、最終的に彼らは城への避難を了承してくれた。
“進歩”という言葉が大きかったかもしれない。
「よし!出発するぞ!」
私たちは城への大きな進歩・・・もとい。城への大きな一歩を踏み出した。
彼らを怪物たちと接触しないよう城へと連れて行くのだ。
私たちは無事に城にたどり着くことができるだろうか。
たとえ城にたどり着いたとしても、私には数々の使命が残っている。
霧の中の魔女は今だ発見されず、薬草のありかも当然知れない。
堅牢なスクラル砦も健在だ。怪物どもも着々と城へ進行していると聞く。
・・・いや。ここで弱気になってはいけない。
私は、私たちはこの使命を成せるはずだ。
あぁ。井戸水。井戸水が恋しい。たしか城の近くに井戸があったはずだ。
「城だ!城が見えてきたぞ!」
歓喜する農民の声が聞こえた。
そうか。うむ。井戸が見えてきたか。
「キャー! 怪物よ! 怪物がいるわ!」
後編へつづく
リンク:ボードゲーム「アンドールの伝説」 伝説2プレイ編(また一人称小説風)後編
というわけで、またまたやっちゃいました〜一人称小説編。
前回同様主人公が戦士ソーンだったので、前回を読んでくださった方には単調だったかしら。
ま、いいや。
この記事で伝わるかどうかは別として、アンドールの伝説、いいボードゲームです
アンドールの伝説完全日本語版はamazonや駿河屋で売ってま〜す。
【駿河屋】

ボードゲームアンドールの伝説 改訂版 完全日本語版 (Die Legenden von Andor)
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アンドールの伝説 完全日本語版(amazon)
なお、今回の記事を書くにあたっては、公式ページの背景ストーリーを参考にさせていただきました〜
以上、“あっきぃらびっと(@akkiiy_rabbit)”でした
いい加減な何でもありブログですが、ポジティブな感想お待ちしております
十四の時、井戸…いや父の農園を守るために戦った。その時、私は戦士になることを決めた。
(今日の記事はボードゲーム「アンドールの伝説」の伝説2のリプレイ、一人称小説風です〜。アンドールの伝説の過去記事や、同様に伝説1の小説風記事などは、タグ:アンドールの伝説からご覧くださいませー)

先ほど商人から買った兜を被り、くみ上げた井戸水に自らの兜姿を映してみる。
すばらしい!
すばらしい透明度だ! アンドールの井戸水は、やはり上質だ!
井戸水は私に休息を与え、意志の強さを思い出させてくれる。
(戦士は井戸水を飲むと意志力に+5 他勇者は+3)
私の今の使命は、生きる気力を失ったブランドゥル王のために、生気回復の薬草のありかを知る魔女を見つけることだ。
よし。時間だ。
エリア19のスクラルへの突撃を開始する。
■仲間
甲冑に身を包んだ怪物スクラルが、私を威嚇してきた。
双剣を鋭く振り、龍の尾を大地に何度も打ちつける───
───その刹那、放たれた鋭い矢がスクラルの背中に突き刺さった。

その隙を見逃さずに斬りかかった。
兜のおかげで、以前より頭の防御を気にせず打ち込める。
思い切り踏み込んで横なぎにする。

私の剣がスクラルに致命傷を与えているようだ。
(兜を装備している際、戦闘でゾロ目を出すと両方の出目を足せる。通常は最大出目1つ)
奴の双剣が音を立てて落ち、続いて奴も倒れた。

私の仲間、〈見張りの森〉の射手チャダが放った矢も、深々と刺さっている。
彼女の腕は相変わらず確かだ。
(射手は隣のエリアから攻撃できるが、怪物が攻撃力で勝れば通常通りダメージを受ける)
スクラルが所持していた4枚のゴールドは、私とチャダとで分け合った。
所持品を漁るのは好きではないが、このお金で新しい装備が買える。これも大義のためだ。
「ソーン。貴方は城に迫るゴルへまっすぐ向かって。私は商人のところへ寄って望遠鏡を買い、弓も新しくしてくるわ」
彼女は仲間だ。仲間の提案は安易に断るものじゃない。
べつに彼女がいつも主導権を握っているわけではないことを、念のため申し添えておく。
望遠鏡か。兜を買った際に店頭に並んでいたな。

霧を遠くから見通せる能力は、霧の中にいると噂されている魔女を探すのに役立つだろう。
その後、望遠鏡を携えたチャダと合流し城に迫る怪物を倒した。
もう間もなく日暮れだ。

しかし我らは明日に備えて、より城近くのエリアへ移動しておきたかった。
怪物どもは夜、城へと進行してくる。
日中、城に迫る怪物たちを排除するためにも、できるだけ進行してくる怪物たちの近くに居たい。
あの城の敷地内に、3体も怪物が侵入してしまえば陥落寸前となるだろう。
今休むわけにはいかない。持ち歩いていたワイン袋からワインを飲んだ。

よし。もうひと頑張りできそうだ。目的のエリアへ移動したら、今日はもう休むとしよう。
(ワインを飲むと時間トラックを進めずに1マス移動できる)
■スクラル砦とソラルド王子
「伝令!王の斥候がエリア54にスクラルの砦を発見したとの報あり!」
伝令からもたらされた知らせは、現在のアンドールにとって、かなり悪い知らせだった。
エリア54といえば〈見張りの森〉近くか。

その砦は強靭で数人の兵士達では落とせないという。
(スクラル砦は意志力20として扱う)
「勇者様たちのお力をお借りしたく存じます!」
私たちは砦攻略を快く了解した。
これで私たちは、“魔女を見つけ”、“薬草を見つけ”、“城へ薬草を届け”、“スクラル砦を陥落させる”という任務を背負ったことになる。
自分のような戦士に、この数多くの任務がこなせるかは分からないが、私には仲間がいるし、井戸もある。
あぁ、井戸水が恋しい…。
「伝令を続けます! 我らがソラルド王子がご帰還!」
遠征していたソラルド王子が戻ったのか。これほど心強い味方はいない!
(王子の居るマスで戦えば攻撃力+4)
ソラルド王子は酒場に要るという。

早速伝令に伝達して怪物退治にご協力いただかなければ。
(移動や戦闘の代わりに同調アクションを行うことでソラルド王子を4マスまで動かせる)
精悍な王子にお会いするのは何度目だろうか。会うたびに力を、威厳を増すような彼の馬上の姿に、私は幼き日の憧れを思い出した。
「久しいな。ソーン! 昔話をしている間は無いようだ! 行くぞ!」
王子に笑顔で応えた私は、スクラルが出没したエリアへと走りながら、最後のワインを飲み干した。

日が沈みそうだが、私はまだ動ける!
王子に恥ずかしい姿を見せるわけにはいかない。
チャダの正確無比な弓、私の剣撃、そして王子の前にスクラルはあっさりと地に伏した。
王子の力は健在だ。彼がいてくれるのなら、私たちが任務を全て成すことも簡単だろう。
王子としばし語り合った後、明日に備えて私たちは休むことにした。
■ソーンの怒り
朝。
何かが起きる朝。
朗報がもたらされることもあれば、その逆も多い。
「申し上げます! 不浄なる怪物どもが、エリア45の井戸を汚したもよう!」

神聖なる井戸を汚した!?
なぜだ!? なんの目的でだ!
奴らが行ってきたことは全て許されないが、これほど許せぬことはない!
許せぬ。あの醜い奴らを斬り裂かねば、この恨みは晴らせぬ…
愛剣を手にとって立ち上がる私をチャダが諌めた。
「ソーン、座って。奴らは逃げはしない」
いかに冷静に諭されようと、私の怒りを止めることはできない。
奴らは井戸を、あの澄んだ水を、生きている喜びを与えてくれるあの場所を汚したのだ!
「お待ちください勇者ソーン様。御出立前にもう一報が…エリア24の農夫たちがゴルに…」

伝令は言葉を濁した。
なんということだ…農夫が怪物にやられたというのか。
王子のご帰還に浮かれていた私がバカだった…。エリア24に農夫が居ることは私たちも知っていたではないか。
失念していた…では済まされない。
なにが勇者だ。
なにが井戸の恨みを晴らすだ。
人の命も守れず、何を息巻いていたのだ。
「もう一箇所農民達がいると情報があったはずだ。私がその農民を連れて行く」
まずは人の命だ。井戸や農夫の恨みを晴らすのはその後でいい。
私はすぐに出立した。
私はまもなく、農夫たちが暮らす、故郷を彷彿とさせる土地にたどり着いた。

怪物の影に怯える者。頑固に農業を続ける者。畑を耕す者、葦を取りに行っている者。
様々な農民たちがそこで生活を営んでいた。
私は、一人一人に話をして歩いた。
「今は畑を耕したり種をまいたり、牧場で羊や猪、牛などを飼育している場合ではないのだ」
「まずは城へ。それが、今この時に必要な大きな進歩だ。大丈夫。私が君たちを護衛する」
多少の反発や涙などがあったが、最終的に彼らは城への避難を了承してくれた。
“進歩”という言葉が大きかったかもしれない。
「よし!出発するぞ!」
私たちは城への大きな進歩・・・もとい。城への大きな一歩を踏み出した。
彼らを怪物たちと接触しないよう城へと連れて行くのだ。
私たちは無事に城にたどり着くことができるだろうか。
たとえ城にたどり着いたとしても、私には数々の使命が残っている。
霧の中の魔女は今だ発見されず、薬草のありかも当然知れない。
堅牢なスクラル砦も健在だ。怪物どもも着々と城へ進行していると聞く。
・・・いや。ここで弱気になってはいけない。
私は、私たちはこの使命を成せるはずだ。
あぁ。井戸水。井戸水が恋しい。たしか城の近くに井戸があったはずだ。
「城だ!城が見えてきたぞ!」
歓喜する農民の声が聞こえた。
そうか。うむ。井戸が見えてきたか。
「キャー! 怪物よ! 怪物がいるわ!」
後編へつづく
リンク:ボードゲーム「アンドールの伝説」 伝説2プレイ編(また一人称小説風)後編
というわけで、またまたやっちゃいました〜一人称小説編。
前回同様主人公が戦士ソーンだったので、前回を読んでくださった方には単調だったかしら。
ま、いいや。
この記事で伝わるかどうかは別として、アンドールの伝説、いいボードゲームです

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なお、今回の記事を書くにあたっては、公式ページの背景ストーリーを参考にさせていただきました〜
以上、“あっきぃらびっと(@akkiiy_rabbit)”でした

いい加減な何でもありブログですが、ポジティブな感想お待ちしております

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