「さあ、復讐を始めよう」


井戸を汚され、城に魔物の侵入を許してしまった私たち。
魔物が城に侵入
私が肩をいからせ、復讐の誓いとともに歩き出そうとすると、チャダとリファルドゥスが走り寄ってきた。


「ソーン。気持ちはわかるわ。でも怒りに支配されてはいけない。」
「そうですよ勇者ソーン様。城にはまだ少し余裕があります。この魔物たちの騒動もどこかに黒幕がいるのかもしれません。その者を見つけ倒すことこそ、私たちの使命」
二人が必死に私をいさめている姿を見て、自分が情けなくなった。


私は何に怒っていたのだ。
城が蹂躙されたからか。
いや、井戸が汚されたからか。
ちがう、ちがうな。何か違う。


「ソーン様、私の体を見てください。この貧弱な体では魔法は操れても、魔物の攻撃をうければひとたまりもありません。こうやって得意なこともあれば、苦手なこともあるんです。私にはソーン様のお力が必要です。」
「ソーン。貴方は剣も操れるし体も頑強。私には貴方のように思い切って魔物に突進することはできないわ。怒りは貴方の突撃を鈍らせる。」
二人はまるで私の心を見透かしたように話す。
しかし不思議と気分が悪いわけでもなかったし、一つの答えにたどり着くことができた。


私は、「私自身が何も出来ていないということ」に怒っていたのではないか・・・。


そう思っても、怒りは完全には静まらなかったが、恨みのような強い感情は弱くなっていた。
二度と城を、井戸を、汚されないためにも、冷静にならなければならない。


「二人とも、ありがとう。すまなかった。」
私はその場にどっしりと座り込んだ。
「では、まずは何からすべきか話し合おう」
安心した表情の二人が私の前にゆっくりと腰を下ろした。



(さて、こんな感じで今回はアンドールの伝説の伝説3リプレイの後編です〜。リプレイを元にしている一人称小説風といいますか。ま、そんな感じで相変わらずいい加減ブログなので、いろいろご容赦くださいませ ちなみに前編含め、アンドールの伝説の記事一覧はこちら。)



■本当の敵


「私は城を守りながら本当の敵について探ってみます。お二人はそれぞれの使命を。その道で本当の敵についての情報も入るかもしれません。」
少し話し合った後、結局は、最初にリファルドゥスが言ったとおりに動くことになった。


数時間後、チャダはついに宿敵のゴルを倒したらしい。
特殊なゴルを倒したチャダ
通常のゴルとは違う個体だったようだ。
なにかが、アンドールを闇に陥れようとしているのかもしれない。


井戸や城が気になったが、私も、自らの宿命とも言うべき使命のために、盾ドワーフの元へルーン石を運んでいた。
途中、城へと向かう魔物たちの気配を何度も感じ、怒りが込み上げてきたが、私も一人の大人だ。
一時の感情に使命を見失ってはいけない。


そしてついに、私は盾ドワーフの元にたどり着いた。
盾ドワーフの元に辿り着いたソーン
ハッフガルド侯爵たちは、歓迎の宴を開いてくれた。
朝まで続くであろう宴で際限なく飲み続ける盾ドワーフ。


酔った彼らは頼りなさそうだが、竜の爪ほどの鋭さのある武器や、竜の鱗ほど硬い鎧を鍛造する技術を持っている。
そんな装備をここで整えていきたかったが、いかんせん金がなかった。


装備は難しくとも、少なくとも情報を得ていこう。


そう考えた私は、歓迎の宴の中で様々な盾ドワーフから情報を集めた。
彼らとの情報交換の中で、黒魔導士ファルクルという名を聞く。
(それぞれが宿命を達成したことで、本当の敵が明かされるシステム。4枚の黒魔導士ファルクルカードからランダムで1枚引き、それが今回のボスとなる感じ)


黒魔導士ファルクル...そいつが全ての元凶か。
そして奴は、あろうことか一体の闇の魔術で強化されたゴルを、このアンドールに解き放ったようなのだ。
強化されたゴル
そのゴルが城にたどり着いてしまえば、城はひとたまりもないだろう。
急がなければならない。


私は侯爵へ中座する無礼を詫び、感謝を伝える。
侯爵は、「エンモタ ケナワ デ ハゴザイマスガ」と、ドワーフ語で宴を中断する掛け声をかけた。
皆に見送られ、私は盾ドワーフの元を後にした。




■勇者と王子


強化されたゴルの出没が噂されている地域を目指している私の元に、リファルドゥスがスクラルを一人で倒したとの情報が入った。
倒れているスクラル駒と側に立つリファルドゥス駒
ルーン石を手に入れているとはいえ、スクラルにたった一人で、しかもあっさりと倒したようななのだ。
魔法。私にはよくわからないが、凄い力があるようだ。
強化されたゴルと戦う際には、彼の助力が必要だろう。



それに比べ私は…。
ソーンの姿
唯一兜が新品だが、刃こぼれの剣に、貧弱な鎧。
盾ドワーフの元へ向かう際、速さを優先し極力戦闘を避けてきたためか、体のなまりも感じる。


こんなことで闇の魔術で強化されたゴルと戦えるのか...
鬱々とした気持ちで歩く私の元に、城から伝令がやってきた。


「ソラルド王子が、ご帰還されました!」


なんと嬉しいことだろう。彼はまた私と戦ってくれることだろう!
こんな弱弱しい私を彼に見せるわけにはいかない。
気を引き締めなければ。


「王子は、城付近に出没したトロール対峙のため、魔法使いリファルドゥス様と共にエリア12に待機中です!
また、隣のエリアにてチャダ様が魔女薬を入手され、まもなくトロールとの戦闘に加わるとのことです!」
ソラルド王子とチャダ
王子は既に彼らと共にいるのか。
私はこの距離からでは間に合わない。


なに。ソラルド王子もいるのだ。
彼ら三人ならば、あのタフな肉体を持つトロールもたやすく倒してくれるだろう。


誰にともなくうなづく。
肌に触れている鎧は、普段より冷たかった。




■あの力


何エリア進んだだろうか。
私の予想どおり、トロール撃退の報はすぐに入った。

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(ソラルド王子は戦闘時、出目に+4の効果。連携攻撃でトロールを無事撃退)
チャダの正確な射撃、リファルドゥスと強力な魔法、ソラルド王子の凄まじい剣術。
さすが。彼らだ。


わたしは...
わたしは、何をやっているのだ。


城では兵士たちに揶揄され、大切な井戸は魔物たちに汚され、城は脅かされている。
仲間たちは頑張っているというのに、私はやっと盾ドワーフに魔法石を届けただけ。


戦士らしく、男らしく、そして勇者らしく。
そう息巻いてきた、いままでの全てが恥ずかしい。
やはり私は井戸水がなければ何もできない者なのか。


地面ばかり見て歩いていると、懐かしい匂いが私を刺激し、ふと顔をあげた。


ここは...井戸…?


いかん...私は井戸水なしで目的を成し遂げ────
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───ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。


ああああああああああ
気づいたときには、私は井戸水を飲み干してしまっていた。


やってしまった...
これでは私が井戸水なしでも成し遂げられる証明にならないではないか。
なんと意思の弱い...


フッ。フッフッフッ。
ハッハッハッハッ!


バカらしい! 実にバカらしい!

DSC02797
(井戸水を飲んで意志力+5。結果16に)


勇者たる私が、うじうじ気にするなど!
気にしたところで何の解決にもならないではないか!
私は私なのだ。あざ笑いたければ笑うがいい!


重要なことはアンドールを救うこと。
魔物たちを駆逐することなのだ!!


丹田で眠っていた獅子が目覚めた。
闇の魔術で強化されたゴルを倒すまでの道のりが瞬時に見えた。


この勇者ソーンをなめてもらっては困る!
私は急ぎ、店へと走った。




■連携とはこういうことだ


全財産の2金を支払って鷹を買った私は、すぐさまチャダへと飛ばした。
「親愛なるチャダ。強化されたゴルを倒すためには、全員攻撃しかないだろう。君が手に入れたという魔法薬をそれぞれが使う必要がありそうだ。ただ、受け渡している時間はない。城は夜明けには蹂躙されてしまうだろう。
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この鷹で私の分の魔法薬を送ってくれ」


チャダはすぐに魔法薬を送ってくれた。
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そしてチャダからの返信で、闇の魔術で強化されたゴルは、私たちの強さに応じて、強くなることがわかった。

(キャラクターの基本攻撃力の合計×2が、闇の魔術で強化されたゴルの基本攻撃力)


闇の魔術恐るべし。
だが、私たちはアンドールを救った勇者だ!


私の計算では、魔法薬やソラルド王子の援護を得れば、一時的に私たちの強さは闇の魔術をしのぐことができるだろう。
さあ、待っていろ。まもなく引導を渡してやる。
私は連携攻撃予定エリアまで走り続けた。




■強化されたゴル


私たちは予定通り強化されたゴルを取り囲んだ。
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弓を装備し遠距離魔法を使えるようになった魔法使いリファルドゥスと、弓の名手チャダは、遠方からゴルを狙う。
私とソラルド王子がゴルの正面から当たる計画だ。


「待たせたなソーン! お前の意欲あるその瞳にはいつも感銘を受ける!」
馬上のソラルド王子が親しげに声をかけてくれる。
「すまぬが私は、まもなく遠征へ出かけなければならない。」

(ソラルド王子は語り部コマが次のマスへ動くといなくなる状態)


忙しい中、私たちに助力してくださっているのだ。
無駄にするわけにはいかない。
「1度で決めましょう!」
「あぁ、1度きりだ!行くぞ!ソーン!」


魔法薬を飲み、ゴルへと駆け出す。
木々を抜け、ゴルの全身が目に入る。
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───通常のゴルとは比べ物にならない!強い!
ヴァルドラグ───いや、トロール以上か!

(このゴルの攻撃力18、意志力が7)


うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!
魔法薬の効果か、愛剣がいつもにも増して軽い。

(魔法薬は出目×2で計算できる)


迫るゴル。襲う5本の鍵爪。私は恐れない。
───懐へ!懐へ!


くらえぇぇぇぇぇっ
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改心の一打はゴルの腹に深々と突き刺さった。


リファルドゥスの魔法でゴルの背中は焼け、頭部にはチャダの矢が突き刺さる。
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ぐぎっ
小さく呻くと、その魔物はあっけなく倒れた。


ソラルド王子が私の背中をドンと叩いた。
そして硬い握手を交わす。



黄金の陽射しが暗雲を突き破った。勇者たちはそれぞれの宿命を果たし、黒魔導士ファルクルの計画を挫いたのだ
(出典:アンドールの伝説 伝説3Nカード)
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やったのだ。
魔物たちは、まもなくアンドールから退くだろう。
これで城も、農民も、あの兵士たちも、そして井戸も・・・そう。アンドールは救われたのだ!


黄金の陽射しを浴びて小さくなる王子の姿を見送りながら、私の心は澄んだ井戸水のように穏やかだった。


〜fin〜



というわけで、アンドールの伝説リプレイ一人称小説風でした!
余計な情景やセリフばかりでリプレイとは呼べない内容かもしれませんが、ちゃんとしたプレイに基づいているのは確かです
ですが、せっかくゲームとして面白い伝説3なのに、様子が伝わってなかったりしたら、すいません。


以上、“あっきぃらびっと(@akkiiy_rabbit)”でしたっ


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アンドールの伝説には拡張も出ているですよね。これも楽しみ
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